相続税対策に有効な土地建物活用とは?アパート建築で得られる節税効果を詳しく解説

不動産活用

奥田 幹樹

筆者 奥田 幹樹

不動産キャリア10年

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相続を見据えて、土地建物の税金対策をどう進めるべきか悩んでいませんか。
現金で持つべきか、アパート建築などで土地活用を進めるべきかによって、相続税評価や節税効果は大きく変わります。
一方で、路線価や固定資産税評価額、小規模宅地等の特例など、専門用語が多くて難しいと感じる方も少なくありません。
そこで本記事では、土地建物に関する相続税対策の基本から、アパート建築による評価減の仕組み、検討時の注意点までを、できるだけ平易な言葉で整理して解説します。
相続人や家族構成を踏まえ、無理のない形で資産を守るための考え方を一緒に確認していきましょう。

土地建物の相続税と評価方法の基本

相続税では、同じ金額でも現金として保有している場合と、土地建物として保有している場合とで評価額が変わることがあります。
現金は原則として額面どおりに評価されるのに対し、土地は路線価や倍率方式、建物は固定資産税評価額に基づいて評価されるため、時価よりも低い評価となる場合が多いとされています。
その結果、資産構成を見直すことで、将来の相続税額に影響が出る可能性があります。
ただし、どの程度評価が下がるかは個々の土地建物の状況によって異なるため、評価方法の仕組みを理解しておくことが重要です。

土地の相続税評価は、路線価方式または倍率方式により行われます。
路線価方式は、国税庁が公表する路線価を基に、奥行価格補正率など各種補正率を掛け合わせて算出する方法です。
一方、路線価が定められていない地域では、固定資産税評価額に国税庁が定める倍率を乗じる倍率方式により評価します。
建物については、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となるのが原則であり、固定資産税の納税通知書などで確認できる評価額が基礎となります。

相続税には、土地建物の評価を大きく減額できる優遇制度も用意されています。
代表的なものが、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例であり、自宅や事業用など一定の要件を満たす宅地について、最大で評価額を80%減額できるケースがあります。
また、配偶者の税額軽減など他の制度と併用することで、実際の相続税負担が大きく変わる可能性があります。
これらの特例は適用要件が細かく定められているため、相続前から制度の概要を把握し、どの宅地にどの特例が使えそうかを整理しておくことが大切です。

項目 評価の基準 相続税への影響
現金・預貯金 残高と同額評価 評価減なし高負担
土地(宅地) 路線価方式等評価 時価より低め評価
建物(住宅等) 固定資産税評価額 評価額は時価以下
小規模宅地等 要件充足で減額 最大80%評価減

アパート建築で相続税評価が下がる仕組み

相続税対策として、更地のまま保有する場合と、アパートを建築して賃貸に出す場合とでは、土地建物の評価方法が大きく変わります。
更地は路線価や固定資産税評価額などを基に、原則として自用地として評価されますが、アパートを建てて貸家や貸家建付地となると、借家権割合や貸家建付地の評価減が適用されます。
その結果、同じ土地でも、更地よりアパート建築後の方が相続税評価額が下がりやすく、課税対象となる財産額の圧縮が期待できます。
この特徴を理解することが、相続を見据えた土地活用の第一歩になります。

建物については、建築費や請負代金などを基に取得価額が決まりますが、相続税評価上は固定資産税評価額を基礎として評価されます。
一般に、固定資産税評価額は建築費や取得価額より低く算定される傾向があるため、現金をそのまま保有している場合と比べると、現金をアパート建築に充てた方が、相続税評価額が小さくなる場合があります。
さらに、アパートを賃貸に出すことで借家権割合による評価減も加わり、建物全体としての相続税評価額が一段と抑えられます。
このように、建物価格と評価額の差が、相続税対策としての節税効果につながる仕組みです。

相続税は、相続開始時点の財産総額から債務や葬式費用などを控除した正味財産に対して課税されます。
アパート建築の際に金融機関から借入金を利用すると、建物という資産が増える一方で、借入金という債務も同時に増えるため、相続税の計算上は正味の課税対象額を抑えやすくなります。
しかも、建物や貸家建付地は評価減の仕組みにより相続税評価額が圧縮されるのに対し、借入金は残高全額を債務として控除できます。
その結果、見かけの総資産額が増えていても、相続税の対象となる正味財産は相対的に小さくなる可能性があり、計画的に活用すれば有効な相続税対策となり得ます。

状態 土地の評価 建物と債務の扱い
更地保有 自用地として高評価 建物なし・債務控除なし
アパート建築後 貸家建付地で評価減 建物は低め評価・借入金控除
相続税への影響 課税対象額が大きい傾向 正味財産を圧縮しやすい

相続を見据えた土地活用とアパート建築の検討ポイント

相続税対策としてアパート建築を検討する際には、まず所有する土地の規模や形状、周辺の需要動向を丁寧に確認することが重要です。
たとえば最寄りの公共交通機関までの距離や、周辺に教育施設や商業施設がどの程度集積しているかによって、賃貸需要の厚みが大きく変わります。
さらに、現在の家族構成や将来同居予定の親族の有無など、相続後の利用予定も踏まえて建物の間取りや戸数を検討する必要があります。
これらを総合的に見極めることで、相続税対策と安定した賃貸運営の両立に近づけることができます。

次に検討したいのが、建物の名義を個人にするか法人にするかという点と、土地を無償で貸すのか賃貸借契約を結ぶのかといった貸借形態の違いです。
同じ家族内であっても、土地を無償で貸す使用貸借と賃料を受け取る賃貸借とでは、相続税評価上の取り扱いが異なる場合があります。
また、建物を法人名義とした場合は、所得税ではなく法人税の課税となる一方で、相続時の株式評価へ影響することもあります。
どの名義、どの貸借形態を選ぶかによって、相続税・所得税・固定資産税など複数の税負担が変化するため、事前の比較検討が欠かせません。

さらに、相続税対策としてアパートを建築する際には、建築費の借入金返済を含めた長期的な資金計画の作成が不可欠です。
賃料収入から、管理費や修繕費、固定資産税、借入金の元利返済を差し引いた手取りの収支を、少なくとも数十年単位で試算しておくことが望ましいです。
加えて、将来の建替え費用や、大規模修繕のタイミング、相続人が売却を希望した場合の市場性など、出口戦略も含めて検討しておくと安心です。
このように、目先の相続税軽減効果だけでなく、長期の収支とリスクを整理することで、無理のない範囲での土地活用につなげることができます。

検討項目 確認すべき内容 注意したいリスク
土地の適性 周辺需要と交通利便性 賃貸ニーズ不足
名義と貸借形態 個人法人の課税関係 想定外の税負担
長期資金計画 収支試算と出口戦略 返済負担の過大

アパート建築以外も含めた総合的な相続税対策の進め方

まずは現在の資産状況を把握し、相続税がどの程度発生し得るのかを確認することが重要です。
国税庁が公表する路線価や固定資産税評価額を基に、土地建物や現金、金融資産などを一覧にして相続税評価額を試算します。
そのうえで、いつ誰がどの財産を引き継ぐのかを想定し、生前贈与や生命保険の活用も含めた複数パターンのシミュレーションを行うと、相続開始後の納税資金の不足や分割トラブルのリスクを事前に把握しやすくなります。
こうした試算は一度で終わりにせず、税制改正や家族構成の変化ごとに見直すことが大切です。

相続税対策としてアパート建築を検討する場合でも、それだけに偏らず、土地建物の活用や組み替え、売却といった選択肢を併せて比較検討することが欠かせません。
たとえば一部を駐車場や事業用建物として活用する方法や、収益性の低い土地を売却し、相続税の納税資金や他の資産への組み替えに充てる方法などが考えられます。
また、老朽化した建物を相続前に処分するか、改修して賃貸運用を継続するかによっても、将来の相続税評価や管理負担は大きく変わります。
複数の選択肢を数字で比較し、節税効果だけでなく、家族の意向や資産全体のバランスも重視して判断することが大切です。

さらに、相続税対策を進める際には、税理士など税務の専門家に早めに相談し、具体的な制度や手続の適用可否を確認しながら進めることが望ましいです。
特に小規模宅地等の特例や相続財産を譲渡した場合の特例の適用を検討する場合は、利用条件や必要書類を事前に把握しておくことで、相続開始後の手続を円滑に進めやすくなります。
同時に、誰がどの不動産を引き継ぎ、どのように利用していくのかについて、家族間で率直に話し合う場を設けることも重要です。
こうした対話を通じて、節税だけでなく、将来の管理負担や生活設計も踏まえた納得感のある相続対策につながります。

対策の段階 主な検討内容 専門家活用のポイント
現状把握の段階 財産一覧作成と評価額確認 相続税発生見込みの試算
方針検討の段階 活用・組み替え・売却比較 節税効果と資金計画整理
実行準備の段階 名義整理と契約内容確認 特例適用条件と手続確認

まとめ

相続税対策として土地建物にアパートを建築すると、路線価などの評価方法の違いにより、現金で持つ場合と比べて相続税評価を抑えられる可能性があります。
ただし、土地規模や立地、家族構成、名義の持ち方、借入金の活用、将来の建替えや売却までを総合的に検討することが重要です。
当社では、相続税評価の試算からアパート建築の可否判断、長期的な資金計画まで一体的にご提案いたします。
ご家族の状況に合った無理のない相続税対策をお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。

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